[開発レター] 2024アンチチート上半期レビュー

開発ノート 2024.08.02


プレイヤーの皆さん、こんにちは。

2024年の前半が終了したこのタイミングで、アンチチートの中間報告をお届けします。今年、PUBG

ではさまざまな変更を実施しました。本日の開発レターでは、チート行為撲滅に向けた継続的な取り組みと、2024年のロードマップ発表以降に行った対策についてご紹介します。また、2024年後半のストアの内容についても少しお知らせします。

2024年上半期の状況

PUBGアンチチートチームは、公正なゲーム環境を確立するため、さまざまなアクションを実施してきました。いくつかの重要な指標を通じて、現在の状況を詳しくお伝えします。グラフや統計はすべての地域を対象としているため、地域によって状況が異なる場合があります。

まず、不正の疑いのあるチートプレイヤーの割合を見ていきましょう。以下のグラフが示すように、ランクマッチとノーマルマッチにおける不正の疑いのあるチートプレイヤーの1日あたりの割合は、2023年の減少傾向に引き続き、2024年上半期も減少を続けています。

私たちは、不正ソフトウェアをより迅速かつ正確に特定し、警告を与えるため、大幅な技術的前進と検出能力の強化を優先してきました。主なアップグレードは、PUBG独自のアンチチートソリューションであるZakynthosの改良と2つの新機能の導入です。その結果、2024年上半期には、不正ソフトウェアを使用した1,480,434のアカウントに対し、永久追放というペナルティを課すことに成功しました。また、アンチESPの最適化と機能強化を2回実施し、脆弱性に対処してシステム全体のセキュリティを強化しました。

以下のデータを見ると、2024年4月以降、新種の不正ソフトウェアの増加により一時的にランクマッチにおけるチートプレイヤーが増加していますが、その後の積極的な対応が功を奏し、減少傾向に転じています。

Consoleプラットフォームでの対応

また、Consoleプラットフォームでのキーボードとマウスの使用に関する問題にも取り組んでいます。上半期には、キーボードとマウスの使用パターンを分析・分類するシステムを開発し導入しました。現在、信頼のおけるベースラインを確立し、実用化に向けてシステムの検証を行っています。これを基に、下半期 (7月~12月) には対応能力を強化する予定です。

一時利用制限措置改善

一時利用制限措置の適用過程では、様々な不正プログラム使用者の特徴や検出記録が活用されています。一部の一時利用制限措置は、プレイヤーの報告とゲーム内の様々なデータを組み合わせて行われることもあります。報告はプレイヤー自身が制御できない要因ですが、報告以外の条件が満たされた場合、善良なプレイヤーに誤って利用制限措置が適用される可能性が存在していました。もちろん、プレイヤーの報告だけで利用制限が適用されることはなく、利用制限措置のためにはゲーム内の様々なパターンやプレイデータが綿密に分析され活用されています。

これに対し、私たちは報告が一部でも活用された一時利用制限措置を廃止する一方、エイムボット、ESP、リコイルコントロールなどの不正プログラム使用者の特徴を学習し分類するディープラーニングモデルを開発し、代替する作業を進めています。

以下のグラフは、2023年7月以降の「一時利用制限措置の種類別割合」を示しています。下部の領域は、プレイヤーの報告が一部でも活用された一時利用制限措置の割合を示しています。先に述べた措置により、2024年上半期にはその割合が徐々に減少していることが確認できました。私たちは早急にこの種類の措置をすべて削除および代替し、一時利用制限措置の誤適用の可能性を改善する予定です。もちろん、利用制限措置においてプレイヤーの報告が活用されることを除去するだけであり、不正行為の現状を把握し、疑わしいプレイヤーを分類および対応するための重要な情報源として、引き続き報告を活用する予定です。

また、報告が活用された利用制限措置の代替とともに、既存の一時利用制限措置の精度向上にも取り組んでいます。以下の「一時利用制限措置の信頼度」指標を通じて確認できるように、一時利用制限の精度が継続的に向上しており、同時にプレイヤーの皆様からの利用制限措置に対する異議申し立ての数は減少しています。

以前の開発レターで紹介した、状況に応じたハードウェアBAN方式についてお知らせします。この方式により一時利用制限措置が適用される場合、誤解が生じることが多かったため、方式の変更と適用範囲の調整を計画しています。

また、チームキルに対する対応ロジックの改善も行いました。チームキルを行ったプレイヤーへの対応が不十分だったり、誤って利用制限が適用される問題を解決するため、意図や相互関係などを詳細に分析し、対応ロジックを改良しました。現在、利用制限措置が適切に行われているかをモニタリングしており、さらなる改善が必要かどうかを評価しています。

新たな脅威への対策

私たちの不正プログラム対応能力が強化および改善されるにつれて、最近では新しい形態の不正プログラムの使用が確認されています。

代表的な例として、ハードウェア「DMA (Direct Memory Access)」を使用して不正プログラムを実装するケースがあり、私たちはDMAのゲーム内使用が確認された時点から、これらの不正行為を検出するための様々な技術を開発し、利用制限措置を行ってきました。また、6月12日に運営ポリシーと利用規約を改定し、永続的な利用制限措置を追加で実施し、技術的な高度化のための継続的な研究と開発を行っています。

さらに、最新技術を活用した不正プログラムも作成されています。これらのプログラムはまだ初期段階で使用上の利点は大きくありませんが、公正性を損なう行為として対応を続けています。

上記の内容は、従来にはなかった新たな脅威であるだけでなく、対応が短期間で終わらない可能性が高いことを示しています。しかし、PUBG: BATTLEGROUNDSのアンチチートチームは、公正なゲーム環境を確立するために、疲れを知らずに継続的な対応と技術改善を続けることを約束します。最後に、皆様から寄せられるランクマッチのリーダーボードに関するご意見も真摯に受け止めており、関連対応を引き続き行う予定です。

それでは、次の開発レターでお会いしましょう。

PUBGアンチチートチーム

 

PUBG: BATTLEGROUNDSチーム